プロローグ

3/10
前へ
/153ページ
次へ
女は懐からサブマシンガンを2丁取り出すと乱射を始めた。 (あの女性、 この狭い廊下でそこまでやりますか?) 常人であれば確実に避けれない攻撃を何の躊躇もなくしてくる 女性に狂気を感じた。 なんとか壁を蹴りながら縦横無尽に駆け巡り、 弾丸を避けたが弾丸ジーンズを掠め切れ目が生じた。やはりこのまま狭い廊下でやりあうのは部が悪い。 非常階段を一先ず下に降りることにした。一気に駆け降りようと思ったが途中で階段が崩れてしまっていた。普通の人間なら確実に落下し、 ただでは済まないだろう。でも、 今の僕らなら行ける。雨宮さんは軽やかに壁伝いに跳ねると階下に無事着地した。 (よし、 僕も続くぞ)  壁に向かって全身を使って張り付く。細い毛で生じるファンデルワールス力、 これにより粘液を出さずに壁に張り付くことが出来る。だが、 僕は人間、ヤモリのように長時間張り付いてはいられない。だから、短期勝負だ。一気に壁を這って動き、雨宮さんの方へ思いっきり壁を蹴ってジャンプした。
/153ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加