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あの喧嘩は今でも思い出せる。
たまたま、テーブルに置かれた夕真の携帯がバイブで震えたと思ったら画面にマミっていう名前と一緒に“明日なら一日あいてるよ〜!”、“いつでも部屋に来て♡”……というメッセージが、目に入った。
――「ちょっと、夕真!これ、誰!?」
――「あ?関係ねえだろ。つか、勝手に携帯みんなし」
――「通知が目に入ったの。この、マミって……誰?」
――「女。セフレ」
――「セフ……!?」
――「だって暇なんだもん」
――「暇って……なら働きなさいよ!」
――「え?やだよ。名央が働いてるし」
――「だからってセフレとか……この子だけ?というか、外に出る日は仕事なんじゃなかったの!?」
――「仕事はとっくにやめたし、セフレは他にもいるよ。だーいじょうぶ、名央が働きに行ってる間だけ遊んでる」
――「全然大丈夫じゃないし……。遊ばせるために一緒に暮らしてるんじゃないんだけど」
――「でもさー、同棲したいって言い出したのお前じゃん?この部屋探したり契約したのは俺。願いかなえてやってんだけど?」
言葉を失ったのは言うまでもない。家賃も生活費も出費してるのは私なんだけど。なんならそろそろ貯金切り崩さないといけなくなりそうだったんだけど。
私からしたら立派な浮気だけど、当の本人は「いーじゃん、本命はお前なんだし」とかいう。
そういう問題じゃないんだよね。……結婚なんて無理だ。私は寛容じゃない。
ということで、同棲している家、もとい部屋を出る決意をしたのです。
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