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「ベッドとか、前の人のままで本当にいいのかい?」
「大丈夫です。カバーは変えてもいいってことなので」
「そっか。じゃあ鍵のこととかも話したいから、落ち着いたらリビングに来てもらえるかな」
「わかりました」
「もしスリッパ使いたかったら、新品を三つ用意してるから、好きなのを使って。それじゃ、お茶を準備して待ってるね」
にこ、と笑った慎一郎さんに、私も笑ってかえす。彼がリビングへと行ったのを見送り、ちらり、と視線を下げた。
たしかにスリッパが三つ。
ひとつは紺色に白い線のボーダー柄、ひとつは薄いクリーム色の無地、そして草のような蒼色に白のチェック柄。
……どれもよさそう。
「これにしよう」
目についた薄いクリーム色にすることにした。
……うん。スリッパ、使い慣れてないけど、意外といいかも。
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