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ありが・・・?
山田「いやあ、馬鹿馬鹿しい話なんだけどさ」
佐藤「なんだよ?」
山田「聞いても怒らないでくれよ。本当に馬鹿馬鹿しい話だからさ」
佐藤「分かったから。早く話せよ」
山田「じゃあ言うよ。──ありが、とう」
佐藤「……えっ?」
山田「だから、ありが、とう」
佐藤「な、なんだよ急に! 照れるだろ……」
山田「えっ?」
佐藤「えっ?」
山田「なんで照れるんだ?」
佐藤「なんでって、感謝されるようなしてないから……」
山田「うん。してないよ」
佐藤「えっ? じゃあ、なんで『ありがとう』って……」
山田「『ありがとう』じゃなくて、『ありが、とう』って言ったんだ」
佐藤「ありが、とう?」
山田「アリが10匹で?」
佐藤「蟻が十(とう)……って、ダジャレじゃねーかよ!」
山田「だから、馬鹿馬鹿しい話だって──」
佐藤「確かに言ったけどさ、まさかド定番のダジャレとは思わないだろ!? うちの親父じゃあるまいし!」
山田「そう言うと思ったから、怒らないでって言ったんだよ」
佐藤「……っかあ、なんだよ。照れて損したぜ」
──おしまい
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