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10 町を作ろう!
マリンは作業を始めるため三階の自室に籠もった。それを見届けてから、隣の自分の部屋に入り、ソファーに座った。
意識を集中すると、目の前にパソコンのデスクトップ画面がホログラム投影された。
ブラウザを開いて小説投稿サイトのホーム画面を出した。
ここで投稿、削除、編集などが出来る。メッセージのやり取りも出来る。マリンがパソコンで使っているものと同じだ。
最初のノルマは100軒と決めた。住む人も自動で生成されるので、設定を変えながら町作りをした。
この家と同じくらいの規模の小さなものしか作れないが、それは悪くないと思った。
家族のふれあいが多くなるから、大きな家に住むより幸せになるような気がした。王は国民の幸せを願うものなのだ。
そんなことを考えながら、一軒ずつ投稿していった。出来る限りで小さな個性をもたせた。
すぐに次々と家が出現した。筍がむくむくと生えてくるような感じ。この家、つまり王宮を中心に放射状に町を作る計画である。
しばらく作業して、かなり家が建ってきたので、屋上から眺めてみることにした。
王宮は三階建で、屋根の一部が平らになっていて小さな屋上がある。部屋を出るとドアがあり屋上に登るための梯子がある。
まだまだ小規模だが、初めて城下町を見ることができるのだ、心が踊った。急な階段を登り切ると、屋上スペースに出た。
「おお!」と思わず声が出た。
ノルマの半分は達成できたであろうか、小さな町並みが出来ている。広大な白いエリアとの違和感が凄い。家と家との間は舗装された路地になっている。
規模が大きくなったら車が通れる道路なども作る必要がありそうだ。
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