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12 停戦協定
しばらく陣取り合戦が続いた。崇高な目的にそぐわない、不毛な争いだ。
マリンは物事に執着する癖があるようだ、ここは王として大人の対応をせねばなるまい。
しかし、自室に籠もり、鍵をかけてしまった。どうやってコンタクトを取ったらよいやら・・・と、ホーム画面にあるメッセージ機能が目に留まった。
「これで説得しよう」早速、メッセージを送ってみる。
なろ王 《さっきは言いすぎた、すまない。ちょっと話を聞いてくれないか?》
しばらくして返信が来た。
マリン 《手短にね》
なろ王 《ピンクが悪いわけじゃない。冷や麦でも白い中に一本混ざっているから、ありがたくて尊いんだ。だから、ほどほどにしたほうが可愛いと思うぞ》
数分の間があった。
マリン 《わかったわ。一理あるかもね、見方を変えれば》
良かった。納得してくれた。きっと根はいい子なのだ。なんとか王の威厳は保たれた。
ピンク部屋の件は個性だと思って、妥協することにした。
かくして戦いは終わった。その後、何事もなかったように作業は進み、程なく小さな町が完成した。
所々にピンクの家がある。さらに、グリーンの家も点在している。これは王の意地だ。王のフェイバリットカラーは緑なのだ。
王の住む町、城下町。次は名前が必要だと思った。
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