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01 我が名は、なろ王
白濁した無の状態から霧が晴れるように意識が戻ってきた。
感覚を呼び起こすが何も応答がない。実体はないようだ。
しかし、記憶は残っている。
小説投稿サイトに転生したことは覚えている。消滅しないように最低ラインである100文字投稿をしていたが、力尽きて途絶えてしまったようだ。
今、一面真っ白な空間にいる。自分が存在していることはわかる。重力はあるようだ。真っ白な床が遥か彼方まで続き、真っ白な空は何もない。
更新が途絶え、システムがリセットされて、世界全てもリセットされて無になったという事らしい。
何もないならば作ればいい。そうだ、我はシステムなのだ。いわば王。何にでもなれる、なんでも作れる。
そう思うとワクワクしてきた。力が漲ってくる感じ。好きな世界を作ればいいのだ。
「我が名は、なろ王」
誰もいない白い世界で叫んだ。声にならぬ、エネルギー波のようなものが広がった。
さて、まずは手始めに自分の実体を作らねばならない。
さあ始めよう。
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