5人が本棚に入れています
本棚に追加
03 女子高生
身長は150センチくらい。髪は短く、丸顔。紺のブレザーにグレーのミニスカート、見るからに女子高生だ。こちらを睨みつけている。
「君は何者だ? これは君が作ったのか?」予想外の展開に驚いて、勢いで質問が飛び出した。
しかし、すぐに投稿や自動生成された人間ではなく、同じタイプだと分かった。少女の前にホログラム化したコンソール画面が見えたからだ。
「そうよ。私が作った」少女は警戒しているのか表情が硬い。でも、隣のマリンを見て少し安心したようだった。
「君はどこから来たんだ?」
「キミキミって、私は卵じゃないわよ、加代っていう名前があるの」そう言えば自己紹介もまだだった。
「ごめんごめん・・・我はなろ王だ、この国の王である」キメ台詞をお見舞いした。
「私はマリン、よろしくね」マリンは妹が出来たように嬉しそう。
「あんたたち、付き合ってるの?」加代はジト目をして唐突に言った。
「な、な、何言っちゃってるんだか・・・意味わかんない!」マリンは狼狽している。
「まあ、どうでもいいけど・・・おねえさん、その服、ダサすぎない?」加代は鼻で笑った。マリンは、いつものジャージだった。
「それは聞き逃がせないわね。これは着心地、耐久性、通気性、全てに優秀な素晴らしいものなのよ。それより、あなたのそのスカートはなに? そんなに足を出して男に媚びてるわけ?」今度はマリン激おこ。
「せっかく、この世界で仲間ができたんだから、喧嘩はよそう。仲良くしよう。よろしくな、加代」
その時、ぐうと加代のお腹が鳴った。
「何も食べていないのか?」手強い相手のようだから、まずは餌付けしてから、じっくり話を聞こうと思った。
「今はこれしかないけど、よかったらどうぞ」おやつ代わりに持ち歩いている、棒状のビスケットをあげた。バランス栄養食品だ。
最初のコメントを投稿しよう!