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05 ハーレム展開
家に帰ってきた。小さいながらも楽しい我が家。
車を降りると、加代とマリンはコンビニに駆け込んだ。女子高生にとって、コンビニは重要な場所なのであろう。車内ではコンビニについての女子トーク炸裂でうるさかった。
「ファンさん、いい味出してるね」加代は気に入ったようだ。早速、夕食の買い出しをしてきたようだ。
「まあ、入ってよ、狭いけど」マリンは加代を促した。
「おじゃましま~す」加代は物怖じすることなく、マリンに続いて中に入った。
この家の一階部分は車庫になっていて、その他は小さな風呂とトイレ、倉庫代わりの納戸がある。
加代には、ここの納戸を使ってもらうことにした。納戸と言っても、窓が小さいくらいで普通の部屋と変わりない。そのあたりのことは車の中で伝えた。
二階のリビングに上がる階段は狭くて急だ、目の前に加代のスカートが見える。超ミニ。思わず目をそらした。
三人でダイニングテーブルに座った。マリンと加代が目の前にいる。
「コーヒーでも飲みましょうか?」マリンは提案した。
「ここが二人の愛の巣なのね。あ、私はコーヒーは苦手なので紅茶がいいかな」周りを見渡しながら、加代は言った。
「違うって言ったでしょ! もう!」マリンは逃げるようにキッチンに移り、手際よくティーパックを用意した。
しばらく黙って紅茶を飲んだ。マリンはお茶を淹れるのが上手い、ワンランク上の味になる。急展開で疲れた心が解けていくようだった。
加代は両手でカップを包むように持って、少しづつ飲んでいる。マリンは豪快に音を立てて飲んでいる。
ふと、この状況を考えた。若い女の子二人と、同じ屋根の下という状況。これってハーレム的な?
いやいやダメだ、王たるもの、そんな不遜な考えは微塵も持ってはいけない。自分を戒めた。でも、向こうから来たら・・・そこで妄想を断ち切った。
「これからの世界創造について、話し合いたい」王の威厳を込めて、言い放った。
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