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06 マリン登場
3Dプリンターの作業が終わると、そこには指定通りの美しい女性が立っていた。
見た目、二十代前半という感じ。就活中の学生のような黒いスーツを着ている。髪は肩甲骨くらいまであり、後ろで束ねていた。
じっくり観察していると、マリンはこちらを向いた。目が合った。
「挨拶が遅れたが、なろ王だ。お前の主である」
「なにジロジロ見てるのよ、キモいわ」マリンはそう言うとそっぽを向いた。
想定外のセリフに驚愕する。おかしい、見た目清楚なのに、心優しい子という指定もしたのに。
まあ、いいだろう。しっかりと仕事をしてもらえれば、いいわけだし。
「君には世界創造の手伝いをしてもらいたい」気を取り直し、精一杯の威厳を作って言った。
「わかっているわよ、そのために生まれたんだから」物分りがいい。頭脳明晰のようだ。
「この端末を使ってくれ。この部屋は自由に使ってもらっていい」
三階にある投稿用の端末のある部屋を与えることにした。部下とはいえ女の子だ、同じ部屋で寝泊まりという訳にはいかない。
「いろいろと揃える物もあると思うので必要な物は投稿してくれ。明日からは世界創造の手伝いをしてもらうのでよろしく頼む」
そう言い残して部屋を出た。マリンは終始無言だった。
隣の部屋を自分用に使うことにした。二階に降りた。ここはリビングスペースなので食事などができる。朝食がまだだったので隣のコンビニで牛乳とブリトーを買ってきて食べた。
「やれやれ扱いにくい部下だな」
これからの役割分担を考えた。世界創造には女性目線の意見も必要になってくるだろう。マリンはきっと役に立つ。
上の階からゴトゴトと、もの音が聞こえる。模様替えをしているようだ。
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