07 なろ王、勘違い

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07 なろ王、勘違い

 しばらくして、マリンが降りてきた。 「だいたい片付いたわ、さっきはゴメン。少し混乱してたから」  黒いスーツからスエットの上下に着替えていた。いかにも部屋着という感じだ。 「私もお腹空いたから、ご飯買ってくる」そう言ってコンビニに行った。  しばらくして、大きな袋を抱えて戻ってきた。  マリンはカップサラダとたまごサンド、果汁100%のオレンジジュースを中から出して食べ始めた。  あまりジロジロと見ると、また機嫌を損ねてしまうと思い、窓の外を眺めた。小さなコンビニが一軒あるだけの白い世界。今はそれが全てだ。  それにしても、この状況はなんだろう、ふと考えた。傍からすれば新婚夫婦の甘い生活に見えるかもしれない。  しかし、世界を作る王とその部下、これから歴史が作られるのだ。壮大なストーリーの始まりなのだ。  「私の部屋には勝手に入らないでね」マリンはサラダの中のヤングコーンをつつきながら言った。  部下とはいえプライベートは尊重されるべきだ。特に返事はしなかった。まさか、正体は鶴だったなんてことはないであろう。
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