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「笑ってる場合じゃないの! このままだとみんな死んじゃう!」
「そう? でもそれって自業自得だよね?」
南がジリジリとあたしたちに近づいてくる。
あたしと真仁は同時に後ずさりをした。
「自分たちの行いが悪いから、こんなことになったんだよね?」
「南……お願い、助けてよ! こんなのおかしいってわかってるんでしょ!?」
「確かにおかしいよね、わかってる」
南は頷いてそう答えた。
その返答にホッと胸をなで下ろす。
南にはまだ話が通じそうだ。
「でも、あたしも欲しいの。報酬が」
南はそう言い、口の端からヨダレを垂らした。
それはカヤ先輩と全く同じだ。
あたしは寒気がして真仁の手を強く握りしめた。
振り向くと、廊下はそこで終わっている。
窓もなくて脱出することもできない。
「どうしよう、真仁……」
そう言うと、真仁が廊下の手前にある窓へ視線を向けた。
ここは確か、南の部屋だ。
「ここは俺が食い止めるから、この部屋の窓から脱出するんだ」
真仁が小声でそう伝えて来た。
あたしはゴクリと唾を飲み込んで女子生徒たちを見た。
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