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瞳と優歩は中学時代から付き合っていて、時々2人で多目的トイレに籠っていることがあった。
中でなにをしているのか聞いたことはないが、だいたい想像がつく。
「そういうのが好きなのは知枝の方でしょ?」
亜沙美にそう言われて、あたしは素知らぬ顔をした。
「なに知らん顔してんの。最近真仁とはどうなの?」
「別に、なにも変わらないよ」
あたしと真仁も、中学時代から交際を続けている。
互いにそういうことに興味が深かったため、健全な関係はあっという間に崩れたけれど。
「そういう亜沙美は友樹とどうなの?」
「あたしも別に変わりなしだよぉ。知枝たちみたいにお盛んでもないしね」
「変なこと言わないでよ。みんなが誤解しちゃうでしょ」
亜沙美の言葉に顔をしかめて反論してみるけれど、言っていることは間違いじゃなかった。
そうこうしている内に瞳と優歩の2人が教室へ戻って来た。
「ちょっと、彼氏とどこに行ってたの?」
ニヤニヤしながらそう質問した時、瞳の制服からタバコの臭いが漂って来た。
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