ささやくように

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 優は今すぐにでも追いかけたかった。 追いかけて、本当のことを伝えたかった。しかし、これが沙月とっては最善であり、沙月の幸せを願うのなら、こうする他なかった。  つい、10分くらい前までは良い雰囲気だったのに、、、 築き上げてきたものが壊れるのは一瞬であるということを、優は今まさに実感していた。  残された部屋で、1人でいると脳裏には沙月との思い出が次々と浮かぶ。他の思い出を引っ張ってこようとするが、どの記憶にも沙月が必ずいた。  5年間かぁ…5年間だもんな、そりゃあそうだよな…    ポロポロと涙が頬を伝う。それから、どれほど泣いたことか……    1人しかいない部屋で優の泣き声が響いていた。      
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