プロローグ

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プロローグ

「ほら。どうだ。私特製の極厚ステーキだぞ」 女性はそう言って少年の前に美味しそうな肉をコトリと置いた。 「うわあああああ……!」 ゴクリ。少年はとてもお腹が空いているのか、目を輝かせながら、ヨダレが口から溢れ出る。 「これ……食っていいんすか?」 少年は血走った目で女性を見る。 「ああ、もちろんいいぞ。というか、もう手にナイフとフォークを持っているではないか。」 少年は女性が話し終わる前に、ステーキにかぶりついた。 まるで腹の減った野良犬のような勢いだ。 「……うまっっ!!すんごいうまいです!!!」 「そうか……うまいか?そう勢いよく食べるな。窒息するぞ。」 ガツガツと肉を頬張る少年と、それを眺める大人の眼鏡をかけている綺麗な女性がそこにいた。 何やら、少年を観察しながらメモを書き留めている。 少年は勢いよく水を飲みながらその事に気づいた。 「ん?ぷはぁ!お姉さん。何書いてるんですか?それ。」 少年はそう聞いた瞬間また肉にかぶりついた。 余裕を持って会話をする暇は無いようだ。 女性はその様子を見てフッと笑みを浮かべた。 「別に特に気にしなくてもいいよ。ただの趣味みたいなものさ。」 「ところで君は、喋って食って忙しそうだね。」 「いや!すんごい美味しくて!これ!(フガフガ)」 「それはありがたいお言葉だね。」 女性は優しい笑みを浮かべると、また目を紙に落とし、カリカリとまた描き始めた。 「……そういえば少年。君の名前は?」 「んごっ。」 少年は話しかけられて、急いで肉を飲み込んで言った。 「俺、名前はソウマっていいます!葉野 そうまです!」 「ハノ、ソーマ君。分かった。」 「はい!」 「ハノ ソーマ君!」 「んあ?」 再び肉を食べようとした時に、ソーマは女性に呼ばれた。 「……はい?なんでしょうか?」 女性は、ソーマを見つめながら何故か微笑み、 足を組んで、頬杖を着いた。 「君。人喰いだろう。」
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