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謎の女性
「どーだ。美味そうだろう?私の自信作だ。」
そう言うとソーマの前には"熱々で厚厚"のステーキが運ばれてきた。
「うわあああああああ……!!」
ソーマはまだまだお腹がすいていいたので、ヨダレが止まらなかったし、目が輝いた。
「塩と胡椒でしか味付けしていない、通なステーキの味付けだよ。」
「これ……食っていいんすか?」
ソーマはお姉さんをキラキラした目で見つめた。
「ああ、もちろんいいぞ。というか、もう手にナイフとフォークを持っているではないか。」
「いただきます!」
ソーマはお姉さんが話し終わる前に、ステーキにかぶりついた。
まるで野犬のような勢いだ。
ガルルルル
「……うまっっ!!すんごいうまいです!!!」
「そうか……うまいか?そう勢いよく食べるな。窒息するぞ。」
ガツガツと肉を頬張るソーマを、またお姉さんは微笑みながら眺めていた。
けど今度は何やら、ソーマを観察しながらメモを書き留めている。
ソーマは勢いよく水を飲みながらその事に気づいた。
「ぷはぁ!お姉さん。何書いてるんですか?それ。」
ソーマはそう聞いた瞬間また肉にかぶりついた。
余裕を持って会話をする暇は無かった
お姉さんはその様子を見てフッと笑みを浮かべた。
「別に特に気にしなくてもいいよ。そうだな。ただの趣味みたいなものさ。」
「……ところで君は、喋って食って忙しそうだね。」
「いや!すんごい美味しくて!これ!(フガフガ)」
「それはありがたいお言葉だ。」
お姉さんは笑みを浮かべると、また目を紙に落とし、カリカリとまた描き始めた。
「……そういえば少年。君の名前は?」
「んごっ。」
ソーマは話しかけられて、急いで肉を飲み込んで言った。
「俺、名前はソウマっていいます!葉野 そうまです!」
「ハノ、ソーマ君。分かった。」
「はい!」
「ハノ ソーマ君!」
「ふぁ?」
再び肉を食べようとした時に、ソーマはお姉さんに呼ばれた。
「……はい?なんでしょうか?」
お姉さんはニヤリと微笑みながら、足を組んで、頬杖を着いた。
「君。人喰いだろう。」
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