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お姉さんはうっすら微笑みながら、ソーマを見つめる ソーマは食べるのをやめて、 「ブフッ、アハハ!」 急に笑いだした。 「いやぁ、僕が人喰いぃ?あるわけないですよぉ!テレビでよくやるあの人喰いでしょ?やだなあ!」 「……」 静かに話を聞く、お姉さんの真剣な眼差しに見られて、ソーマは笑いが止まってきた。 「あるわけ無いって……思ってます。そんな事無いで欲しいです。」 「……やはり。少年、なにか心当たりあるんだね?」 「いや、心当たりというか、なんというか。人喰いにされそうになったんすけど、俺死んだと思うんすよね。」 「ふむ……その話、私に詳しく聞かせてくれないか?」 ソーマは今朝体育館で惨殺が起きて、10人の人間が人喰いにされそうになった事を話した。 「なるほど……君の頭が破裂した感覚があったが、今はピンピンと生きているし、頭もあると。」 「そーなんす。もしかして夢だったんじゃないかと思ってるんですけど。いやもしかしたら本当に俺は酒でも飲んだんじゃ!?」 ちょっとふざけながらも、本当はそうであって欲しいと薄々ソーマは思った。 「……残念ながらそれは現実だ。君は酒に酔ってもいない。」 「今君が通っているであろう南桃青(みなみとうせい)高校の職員と生徒はみんな食い殺されて、学校は閉鎖になっている。」(事務員を覗いてな) 「そ、そんな……」 やはり現実だったのか。そうだよな。それはそうだよな。 「ああ、それと……君の説明はひとつ間違ってるぞ?」 「ん?え?」 お姉さんは白い指をピッと立てた 「あれは今日の事じゃなくて3日前のことだ。」 「えっっ!?3日前!?!?」 3日も俺は寝てたの!?ゴミ箱で!?!? どうりで臭いわけだ!!! ソーマは思わず自分の匂いをクンクン嗅いだ。 「今度は私が知っている話をしよう。よく聞けソーマ。」 「はい。」 「まず私は人喰いを研究、駆除をしている者なんだが。」 「えっ!?駆除!?」 まずい殺されるっっ!!!! ビクッ!!!っ驚いて机がガタンと言った。 「まだ話の途中で取り乱すな。別に"今"君を殺そうとは思っていないし。まだ人喰いだと分かった訳でもない。」 「あ、はい。すみません。え、後で殺すって事?」 「それは君次第だな……ふふ。」 「続けるぞ。私が体育館の事件を知ったのは夕方……と言ってもだいぶ暗くなった頃だ。」 「自分の息子娘を心配して学校に連絡した親から警察に連絡があった。学校と連絡がつかないとな。」 「母さん……」 ソーマは母さんのことが気になった。怒ってるかな。 「そして私が呼ばれた。学校には人を寄せつけない施しがされていてされていて、私はそれを解除して入った。」 「校内を回っていると、体育館の方から異臭がした。すぐに入ると、中はもう。なんというか一言で表すなら、地獄だった。」 「……」 ゴクリッ ソーマはできるだけ、思い出さないようにした。 美味しいステーキを吐き出したくなかったから。 「そこで私は色々と調べた。すると、舞台の上に中年の男性がいた。のちのちそいつは校長だと分かった。」 「ああ!そうだ!あの校長が全部手引きしたんだ!でないと人喰いがあんなに体育館に隠れられない!!あいつがきっと……みんなを殺したんだ……!!」 「まあ、落ち着け少年。校長も話を聞くと、妻と娘を人質に取られたらしい。仕方がなかったんだろう。」 「で、でも!!だって!」 「その後……!校長は殺されなかったが、その妻と娘は殺されている。」 「自分が生かされ、愛するものを殺される。生地獄だ。そしてその後は余生を牢屋で過ごすんだ。それ聞いてなお、責める必要があるか。 あの顔。君も見たら哀れむだろう。」 「……」 「悪いのは人喰いなんだよ。ソーマ。」 「そうですね。」 人喰いがいなければ、そもそもみんな食われずに済んだんだ。 「……話を戻そう。隊員を数3名連れていたから、その人に保護を頼んで、私は1人、どこにどうやって人喰いが居て、現れて食ったのか。現場の動きをさぐっていたのだが、」 「私は1人だったから、ペンが走る音しか聞こえなかったはずなんだが、ガサガサっと、音が聞こえた。」 「え?ペンとは違う音が?」 「そうなんだ……」
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