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ジト目
外はオレンジ色で、夕日がさしてきていた
「飲み物でも飲みながら校舎を案内しようか。自販機は広場だ。」
「やったー!」
俺とハルさんは入口の広場まで戻った。
「あれ、戻ってたんすか、ハル先生」
校舎から広場に出ると、一人の男がハルさんにそういった。
「お、"ゆう"か。さっき戻ったところだ。」
どうやらハル先生の知り合いらしい。
ん?ハル先生??
「え、ハルさん先生だったの!?」
ハルは、ん?とソーマを見る。
「あれ、言ってなかったか。私は殲滅隊でもあるが、教師でもあるんだよ。」
「聞いてない……全く聞いていない……!」
「それはそうと、紹介しよう。私の生徒だ。君と同じ学年だよ。」
「立花 憂です。」
「えっ、ってことは1年生3人のうちの一人の?」
「そういう事だ。」
へぇーー。赤いマフラーみたいな物で口元が隠れてて、
なんか髪がボンと爆発したみたいな黒髪で、
力の入っていない、ぼけーっとした顔だな……
「ん、なんなんですかこの人。人の顔をマジマジと。」
ソーマがあんまりジロジロ見たので、ユウは反応に困った。
「ああ、憂。きみにも紹介しよう。転校生のソーマくんだ。同じ1年だよ。」
「え、転校生?ですか?聞いてないですよ。」
「実は今日決まったんだ。よろしくしてやってくれ。」
「……」
憂ってやつは、無表情でじーっと俺を見てきた。
「俺、葉野 ソーマ!よろしくな!」
俺がそう自己紹介した後もじぃぃーっと見ていた。
じーっと見たあと、ゆうは「ふぅ。」とため息をついて、
頭をポリポリとかいた。
「……なんか、弱そうですね。」
カッチーン!!!
「失礼なこと言うなぁ??!!俺は今から超強くなるんだよ!!!いーまーかーら!」
ハル先生が間に入った。
「まあそんな事をいうな。憂。君にだけ言うが、ソーマは友人のために、この一般人のなりで高レベルの人喰いに立ち向かったんだ。そして当然負けた。君と同じで分かり合えるところ多いと思うがな。」
「……」
ゆうは黙ってソーマのことを見ていた。
「おお、そうだ。せっかくなんだから、ユウに校内案内を頼みたい。私が帰る時にソーマに連絡入れるからな。」
「えっ、ハルさん!?」
「ええー……」
憂はなんか面倒くさそうだった。
「なに。仲良くなる良い機会じゃないか。うん。じゃ、ユウ。よろしく頼んだ。」
そう言ってハルさんは校長室側に戻っていってしまった。
「……」
「……」
ゆうも俺も何も喋らなかった。
「あのおぉ……えっとお。」
ソーマがそう言うと、ゆうは口を開いた。
「1年生でしたよね。」
「え、?」
「じゃあ1年生の君。
俺のジュース。買って来てください。」
えええええ!?!?何言ってんのぉぉおこの人!!!
「君も1年だろーがよ!!!!パシろうとすんなよ!!!」
ビシッとソーマは指さした。
「ええ??あ、あーあー!すみません、すみません」
間違えたように立花は謝った。
まあ分かればいいけど。
「自販機の場所、教えてなかったですよね?すみません。ほらあそこですよ。あそこ。分かりますか。」
「そうゆう事じゃないよ!!!
てか距離ちっか!!!数メートルじゃん!!
絶対に自分で買え!!!」
と、言うわけで、ゆうも一緒に自販機へ行きました。
俺はコーラでゆうはサイダー。
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