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青い流星
運動場の真ん中にて。
「ここに立ってろ!バカ!痛い目見せてやる!バカ!」
そう言って、ツインテールの女の子は少し距離を離れた。
「なんでそんな馬鹿って言うのかな。1回で良くない?」
そう言いながらも、少女の言うことを聞いて、ソーマはぽつんとたっている。
「今からあなたに私の必殺技を放つ!!超痛いから覚悟しなさい!!!」
「うー、はーい。」
とりあえずはいと言ったが、まあ、女の子の必殺技なんだ。
かすり傷程度で済むだろうと思っていた。
「私の必殺技はすごいわよ。恐れながら見てなさい!!」
うーん。必殺技ってなんだろうな。ドロップキックだったらちょっと痛いかもだけど。
「必殺!!」
女の子は何かを手に持って、ぎゅーっっ!!と引き絞ったようだった。
あれは弓矢か?
いや違うな?
ビュン!!!
やっぱちがった。あれはパチンコか?ゴムで何かをビュンと飛ばしたみたいだ。
丸くてなんだかゴツゴツしてる。
薄暗くなった紫色の空の中、
くるくるとソーマの真上まで来て、
バン!!!
とそれは一瞬白く光った。
「流星群!青!!」
途端にキラキラと、流れ星のように筋を帯びながら大量の青いものが降ってきた。
あれは……!!
「やべっっ!!青い宝石だ!!」
サファイアか??いや、どっちにしろ俺は……
この量だと……俺は。
……死ぬっっっ
大空1面青くおおわれたのを見て、
全身からブワッッ!!と汗が出た。
クラッカーを下に向けて打ったように、火薬で加速したらしい宝石達は、数秒でソーマの元へ辿り着きそうだった。
逃げ道も……ない。
間に合わ……ない。
ダメだ。
俺は油断をしてしまった。
彼女は殲滅隊の1人なんだ。練習でもサファイアを使う。そこを考えていなかった。
でも最後はなんて綺麗な光景だ。
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