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ウンコマン
ジャーーー
「すんげー戦いだった……もう、まじで激戦だった。それにトイレットペーパー無いしさ……戦後も何もかも激しい戦いだった。」
そうお腹をさすりつつトイレから出てきたのはソーマだった。イヤホンを外してポケットに突っ込む。
ソーマはトイレの戦い中、イヤホンで戦のBGMを聞く悪癖がついている。
「俺はどのくらい激しい戦争を繰り広げていたのだろうか。
まだ集会やってるのかなぁー?もう終わってるといいけどなぁー??」
そのまま教室に帰って終わるの待ってたら、多分遅刻扱いにされて、
また母さんに怒られるから仕方なく戻るとしよう。
静かな渡り廊下を歩いて渡って、体育館の入口側の2階に来た。
「ん?なんか変だな。」
「あ……そうか。校長のマイクの声がしない。凄く静かだ。どうなってるんだ?」
階段を降りつつソーマは考えた。
「でもあれだな。集会がもし、もう終わってて1人で体育館に行ったら、
また高橋に教室で『校長の話より長いウンコマン』とかって言われそう…」
階段の真ん中で足が止まった。
「……戻る……か?」
……いや、教室に戻って誰もいなかったらずるだしな。それにもう体育館近いし。いっか!
とっとっと。と、ソーマは階段を降りた
体育館の入口は廊下になっていた。
その廊下から向かおうとすると、ソーマは異変に気づいた。
なんか生臭い…………血の匂いだ!
傷で血が出た時嗅いだことのある鉄くさい臭いが、ぶわっと廊下の空気をおおっている。
ありえない量の臭い。
「どういうことだ。」
ソーマは思わず小声で呟いてしまった。
ここから先に行くのが怖い。そう感じた。
トイレに切れ痔の人が満室でも、体育館で牛の解体ショーしててもこうはならない。
すると、体育館から声がした。
「ねえ!離してよ!離して!!」
聞き覚えのある声だった。
「ハナだ……!!」
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