正気に戻る生徒会長様

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ツンとした消毒の匂いが鼻につく。 カチコチと時計が静かな空間で響いている。 「うっ……、ここは?」 頭がズキズキと痛みだす。 俺は身体を起こして辺りを見回した。 どうやら保健室にいるようだ。 「あれっ、気がついた?」 カーテンがジャッと開いてそこから養護教諭が顔を出した。 俺は痛む頭を押さえながら養護教諭に目をやった。 「気分はどお?まだ痛む感じ?」 「……ああ」 「頭を打つ前のこと覚えてる?」 「……ええっと」 そこで俺は何故自分が保健室いるか思い出した。 同時に羞恥も浮かんでくる。 あのタイミングで転ぶなんて……。 とりあえず養護教諭には問題ないことを告げた。 「そっか。でも頭を打ってたからね。もう少し休んだ方がいいかもね」 「わかりました。……あの俺を運んだのって」 「ん?ああ、運んだのは僕だよ。君が倒れたって一年生が飛び込んできてね」 「そうですか……」 脳裏に浮かんだのは最後に見たあの少年のこと。 周囲には彼しかいなかったのを考えると親衛隊が去ってから転んだのだろう。 またもや羞恥心が顔を出すが今はそれどころじゃない。 とりあえずまた身体を横たえてカーテンが閉められる音を聞きながらこれからのことを考える。 今の状況を整理すると俺は今非常にヤバい状況におちいっている。 ここ数ヶ月の学園の様子を鑑みるに、学園は今非常に荒れている。 少し前までは気にもしなかった事柄が今になって襲いかかってきた。 荒れている原因の一つとして上げられるのが俺たち生徒会の太陽に対する態度だろう。 今まで他に対して一線を引いてきた俺たちが揃いも揃って太陽に夢中になっていたんだ。 その影響は計り知れないだろう。 さらに太陽は親衛隊を嫌っている。 よく親衛隊と衝突している所を見たことがある。 ……今になって思えば、急にぽっと出のやつが生徒会の連中と親しくなって、そこに親衛隊に対する否定が出ればそりゃ荒れるだろうな。 今までは太陽に危害をくわえる者としてか認識していなかったが、急に親衛隊の存在を閉め出した俺たちにも非はある。 ここ数ヶ月、太陽たちと一緒になって過ごした記憶しかない。 生徒会の仕事も最後にやったのはいつだ? これからのことを考えると物理的な痛みとは別に頭が痛みだしてくる。 自業自得でしかないことはわかっているが、つい現実逃避したくなる。 とにかくもう少し休んだら行動を開始しなくては。俺は微睡みながら目を閉じた。
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