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パソコンの音が室内に響く。
書類をめくりチェックしてサインをする。
外からはカラスの鳴き声が聞こえ、夕焼け色の光が窓から室内を照らす。
えっ、今何時だ?
俺は咄嗟に壁にかかる時計に目をやった。
今の時間帯、生徒は部活に所属している者や委員会を除いてほとんど下校しているだろう。
俺は腕を伸ばして重い肩をほぐした。
たまっていた書類も三分の一位まで片付けることができた。
幸い期限切れの書類はなかった。
……本当にヤバいギリギリな物はいくつかあったが。
期限が切れる前に三間が処理してくれたのだろう。
俺は顔色の悪い三間の顔を思い出して何回か目のため息をついた。
この量の仕事をアイツ一人に任せていたかと思うと、罪悪感や自己嫌悪が俺を蝕む。
この俺でさえ集中力を極限にまで高めて、頭をフル回転して処理したのに半分まで減らせなかったのだ。
三間が計算に特化しているといえ、アイツの負担は大きかっただろう。
「悩んでも仕方ないか……。三間の様子を見てくるか」
俺は席を立ち上がって保健室に向かった。
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