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嘘から出た誠ってある?「2」
SNSを見た。
あの飼い主、無事に迷子犬を見つけたらしい。
家に帰れたんだ。
なぜだろ?
他人だぜ?
その他人の事が、こんなに嬉しいなんて。
***
俺は[ワンころ]を抱き上げた。
「ありがとな、俺んちに来てくれて」
[ワンころ]はいつも通りにキュンキュン言って、
尻尾を振りまくる。
バイトしながら、サロンを捜す毎日。
面接にも行った。
真面目になりたいんだ[ワンころ]の為に。
そしたら、サロンにヒットした!
「ワンころー!お前、マジで幸運を呼ぶイヌかも⁉」
俺は[わんころ]をギュっとした。
キュンキュン鳴いて、頬をなめる。
知らずに泣いてたんだ、俺・・
***
兄貴にサロンの給料を半分ずつ返す。
それでも節約したら、やっていけるんだ。
貯金も少しずつしよう。
[ワンころ]の予防接種代がいるからな。
兄貴が探した、ぼろアパート。
家賃がとにかく安い。
兄貴にも感謝だぜ。
「ありがとうな」
俺は空に向け、誰ともなしに呟いた。
END
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