通学路は実は危険がいっぱいという隠された事実について

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通学路は実は危険がいっぱいという隠された事実について

 町はずれの自宅から高蔵高校へ。  悠馬はたったひとりです徒歩で通学。  一年の途中から今日まで毎日、ずっと同じ。  サキが天国へ行った日から、ずっとずっと……。  すっごく寂しいけれど、実を言うとメリットもあるのだ。  信号待ち。  あたりに気をつけながらスマホを取り出し、ダウンロードした動画をそっと鑑賞できる。 『JKの秘密を見てみよう~カノ女はあなたに見られるのを待っている~』!    名前からして怪しい会員制サイトの動画をダウンロードしたもの。要するに女子高生の隠し撮り。  「あなたに見られるのを待っている」というのは、多分嘘だと思う。  サキと一緒に中学高校と登下校していた頃には考えられないひととき。  第一、サキは度々、悠馬のスマホを点検するのだからダウンロードなんて絶対ムリだった。  あれだけスマホをチェックされたり、悠馬の部屋の家宅捜索されるんだから、悠馬ってよっぽど信用なかったんだろう。  それでも時々、悠馬は考える。  サキにスマホをチェックしてもらいたい。家宅捜索されたっていいって!  だから今朝見た夢やその後の出来事のこと、悠馬はとっても気にしてるのだ。  ただの夢なんだ!  写真スタンドが落ちたり、両肩が激しく叩かれたみたいに痛かったのも何かの偶然。  そう考える反面、何だかサキがすぐそばにいるみたいで心がはずんでた。  そんなことありえないんだけど・・・  去年、年上の幼馴染の星空サキは天国に行った。  悠馬は棺のなかのサキに  「さよなら、先輩」 と別れを告げているんだ。  サキは何も別れの言葉を言ってくれなかった。  だから今・・・  また涙が浮かんでるんだ。  悠馬は涙を忘れようとした。  立ち止まって回りを確認してからスマホを取り出す。  真剣に、本当は高校生は見てはいけない動画を鑑賞中。  真剣すぎて、悠馬は自分に向けられた視線に全く気がついてない。  その男は少し離れたところに立ってスマホ片手に誰かと話をしている。  美景沙織が生徒会長と兼任で委員長を務める風紀委員会の副委員長。  沙織は生徒会の仕事が忙しいから実質的な委員長。  その名は二年四組の鈴木秀明(すずきひであき)。  陰険そうな顔つきでニヤニヤ嬉しそうに、電話の相手に話している。 「こちらS地点!  例のヘンタイがスマホにダウンロードした動画を観ています。  ニタニタヘラヘラ気持ちの悪い笑いを浮かべ、  『ハア、ハア、ハア!』 と興奮して息を吐いています」  あんまりだ!  悠馬は笑ってなんかいない。  R18の動画を観てるそぶりだって見せてないのに・・・  「ハイ、生徒会長。  後はM地点に引き継ぎます!」
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