浜島君の突然の出現について!

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浜島君の突然の出現について!

 学校が見えてくる。  悠馬もキリッと気を引き締める。スマホはカバンにしまった。  高蔵高校二年の優等生の表情で校門に向かう。  ところが!  一瞬で優等生からリバウンド!  悪事発覚!オロオロしている地味でボッチのスクールカースト最底辺の悲惨な表情になった。  悠馬の数少ない友人、四組の浜島君の登場が原因だった。  別に浜島君の姿にショックを受けたワケじゃない。  彼の差し出したA5サイズの封筒に驚いたのである。  封筒は分厚い。何かが入っている。   「じゃあ、R18コミック『JK SEX DOLL』返したから」 「待って!学校では返さないでと約束したよ」 「ここは学校じゃない。校外だ。  R18コミック『JK SEX DOLL』確かに返したぞ」  しつこく二回!同人誌の名前を叫んで去っていった。  しかもR18という言葉まで付け加えて!  この同人誌持って学校に入れというの?  ちょっとひどいんじゃない?  悠馬は一回自宅に戻ろうかと思った。  だけど今、自宅に戻れば間違いなく遅刻。  第一、優等生の自分の所持品を、わざわざ先生が調べるはずもない。  そうだよね。僕、優等生だから調べたりしないよね。  多分調べないんじゃないかな。  悠馬は楽観的に考えることに決めた。  悠馬は知らない。  少し離れたところ。  二年特進クラスのクラス委員、松下がスマホで誰かと話をしている。 「こちらM地点。計画通りです」    そのそばには浜島君がションボリと立っていた。  
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