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それならブラックかビターのチョコレートで、と思ったら、ミルクチョコレートしかない。妥協してそれを買ってきたけど、やっぱりちょっと色が明るいなぁ。
今回はこれで許してもらおう。
スプーンで、コーティング用に調整したチョコレートをケーキの縁に乗せ、垂れ加減をじっと見つめる。下までだらだら垂れたらイメージと違うから、ちょっとずつだ。縁から途中まで、不揃いに垂れてるのを作りたい。
ありがたいことに、レシピには「少しずつ様子を見ながら」って書いてくれてあったから、その通りに慌てずゆっくりと。
全周が終わったら、天面に残ったチョコレートを流して塗り広げる。これ、スプーンの跡がついちゃうな。店で売ってるみたいな、つるっとした表面って、どうやって作るんだろう。
俺はパティシエじゃなくてベーシストだから、そこを必死になることもないか。こう、ランダムに流線模様っぽく筋をつけておけば……ほら、ちょっといい感じだ。
チョコレートを使い切って、これで完成。冷蔵庫に入れとこう。この間も、冷蔵庫でよく冷やした方がしっとりして美味かった。
スマホが着信を知らせる。手に取ってみると、夕からだ。
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