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僕はその大学の修士課程1年目で、話し相手のこの男性は、この界隈では知らぬ人のいない権威、「風見雪彦」教授だ。
無論、僕と風見教授は、学生とその指導教授の関係であるが、ただそれだけではない。
僕と風見教授は、僕が大学に入る2年前、7年ほど前からの知り合いである。
そして、大学内で公にはされていない、この目の前にある「殻」の開発を密かに進める間柄である。
はじめにこの「殻」の開発を提案してきたのは風見教授の方からだった。
そう、僕の記憶の中にいる『風見葵』を蘇らせることを目的としたこの研究を。
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