どうでもいい話さ・・・②

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どうでもいい話さ・・・②

かずおの心は、荒れていた・・ 今宵も、両側から 猛烈な 音(イビキ)が 鳴っている 、、、 2LDKアパートの 居間とリビングの戸を とっぱらい つなげた 2部屋に 前にも話したが、 かずおは、家族 3人で川の字に寝ている 右側の居間 に、布団を敷いて寝ている 父親 のりおと、 リビング左側 壁沿いに、ソファベッドで 寝ている 長男 ときお 同じく リビング真ん中に 折りたたみマットで、眠る かずお。 父親の 鼻から抜ける 空気音イビキと、 長男の 猛獣イビキ ふたつ重なり、振動が地鳴りしている。 かずおの心が、荒れているのは この、 地鳴りの 状況からではなく 昼間を振り返って、気づいた事への 苛立ちからだった。 何故あの時 気づかなかったんだろう・・と 毛布に顔を半分被せて、ブツブツと 声を出さずに、愚痴っている かずおは、次男で 少し捻くれ者、 褒められても 何か裏があるんじゃないか? と考える 面倒臭い性格 だが 長男とは違い、人をよく見ているので いらない気使いをする、繊細な面もある。 被せた毛布から、 ブツブツ念仏のような 一定音を 放つ、 かずお たまに「あ”"〜」とか「ゔ"ぅ〜」とか 変に 声が出た。 「…いい話は、その時は 感動したり むねが 熱くなったり、ドキドキして いれるけど。 過度に 食らうと、毒になるんだよ!…」 と、何度もこの 「あ”〜」とか、「ゔ”ぅ〜」の唸り声の後 ヒソヒソと、繰り返している。 その うねり声を繰り返している、かずお 布団の中で、もがいている。 「あ"〜」「ゔぅ〜"」が、過ぎるので。 父親 のりおが、目を覚ました。 「…また、始まったの かよ…」 次男 かずおは 「…変に繊細でいて困るなぁ…」 と、 敷布団で横になりながら、思う。 かずおが 幼い頃 母親から寝かせつけられるとき、 絵本や物語の本を、 情熱的に演じて読み聞かせていたので。 他からの物語が 入りやすい気質に育ってしまい 大人になった、今でも 映画や 漫画 アニメ、等 ニュワンスが合うと とんでもなく 打たれてしまう。 ルパン三世の 五右衛門にスパッツと 切られたかのように、落とされる。 次元のピストルに、ズドンと撃たれる。 ルパン三世に、ハートを盗まれる。 ぐらいの3段階落ちみたいに、 「…今夜は、唸るなぁ…」 鼻からため息が抜けた。 父親のりお 耳を指で塞ぎ、しばらくして 又 鼻から深く 空気を吸い込みだし、かずおの 念仏に負けない 空気音イビキをした。 リビング左側壁沿いに、ソファベッド 寝ている 長男 ときおは 何事もなく、(たか)猛獣イビキ そんな かずおも、眼が閉まり始め、 唇をブツブツ 念仏から、ブルブルイビキに 変わり始めて 就寝した・・。 そんな、男やもめ三人の 夜な夜な 続く…… どうでもいい、話 …終…
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