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終わりと始まり
20XX年 12月
「お父さん、お腹すいた」
夕日も沈み出し夕飯準備を始める時間帯に少年は父へ向けて言葉を投げかける。
「ああ、そうだな。母さんと香夜が帰るまで少し待ちなさい」
父はそう言うと新聞を広げる。
少年は「はぁい」とふてくされながら返事をする。
それから沈黙の時間は流れ、一時間を過ぎた時少年は再び口を開く。
「お父さん、お母さんと香夜遅くない?」
少年の問い掛けに父は目線を上げ、時間を確認する。
「確かにな。買い忘れがあるからと出てもう一時間以上経つ。迎えにでも行くか?」
父はそう言うとテーブルの上に新聞を置き、立ち上がる。
少年も立ち上がり上着を手に取った時、付けていたテレビから緊急速報という言葉が聞こえた。
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