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俺は靴も履かずに外に飛び出した。
歩いて行く二人の背中を追う。
どれだけ走っても、二人に近付くことが出来ない。
「お母さん!香夜!」
どれだけ呼んでも二人は俺の方を見てくれない。
「待って!行かないで!お願いだから、お願いだから!!」
俺は涙で顔を濡らしながら大声で何度も何度も叫んだ。
二人はどんどん小さくなっていって、見えなくなった。
俺はその場に座り込み、声を上げて泣く。
手に届く距離にいたのに、それを掴めなかった。
俺は、またあの二人を護れない。
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