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「凱斗」
座り込み泣き叫ぶ俺の背後で声がする。
「靴も履かずに何をしている?帰るぞ」
俺はヒョイと持ち上げられ、進んだ道から戻される。
逞しくて、力強くて、温かい。
家に着き、鍵を開けるお父さんに抱えられた俺はふと庭の方へと目をやる。
転がったボール、並ぶ花。
玄関に入り思い出す。
最期の会話、お母さんを困らせてしまった。妹に情けない姿を見せてしまった。
リビングに連れられてふと思う。
お母さんの料理、また食いてぇな。
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