木は実によって知られる-26

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木は実によって知られる-26

 執行猶予がついた結花は、都内の更正施設に入った。  宣言通り、稲本夫妻と悠真そして静華も身元引き取りを拒否したから。  更正施設での結花の評判は良かった。  お行儀よく振る舞い、作業は真面目に……寮母やスタッフからは評判が良かった。  言葉遣いも丁寧になり、多少丸くなった――は表向きの顔だった。  裏では共同生活している人達、特に年下の子達に陰湿な嫌がらせをしていた。  人のプライベートを聞き出し、弱味をついて、脅した。  気に食わないことがあれば、八つ当たりや、怪我をさせるようなことをして、ニタニタ笑っていた。  共同生活している人達は全員女性で、みんな結花より年下の10代から20代の5人ほど。  自分の親ぐらいの人間にいきなり嫌がらせや脅しをされ、社会経験の少ない彼女達は泣き寝入りするしかなかった。  更正施設は2、3ヶ月で出て行くので、短期間で住人が入れ替わる。そのため結花の悪行は知られることなく、自立することが出来た。  元々共同生活無理な結花が早くでるために、優等生キャラを演じていただけだった。    他の人同様3ヶ月で出た結花は、ホームレスになってしまった。
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