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「ちょっ、しっー! しっー! ダメージ凄いから、止めて!? ていうか、敬語使えよ、若者」
「今は学校じゃないんで。先生って呼んでるだけ感謝してください」
「は? お前はいつも先生呼びだろ」
「裏では、先生のこと三浦って呼んでます」
「敬称略すなよ!」
俺は溜息を吐くと、彼女をちらっと見る。彼女は何も悪びれる様子も無く、ただ真っすぐ見つめて歩いていた。にしても、さっきの掛け合いでさらに心身にダメージを喰らっている。RPGで言ったら、もうそろそろでライフが0になりそうだ。
「若いっていいな」
「……急に何ですか」
「いや、お前見てるとそう思えてくる」
「私は早く大人になりたいですけどね」
「子供はそう言うよなー。大人になっても、悪いことは起こるし、自分で金稼がないといけないし、人間関係とか面倒だし、親からは早く結婚しろって言われるし。うるせぇ、俺に指図するな!」
「うわー、その言葉聞いたら両親が悲しみますよ」
「うるさい、ガキ」
「口悪いよ、三浦」
「だから敬称略さないで……」
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