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過保護な両親は、最初、私の一人暮らしに反対した。
「じゃあ、社員寮に入るっ。」
そう言ったけど、納得してもらえることはなく。
そこで登場したのが、私の大好きな人、大貴だった。
「お嬢さんは、責任を持って俺が預かります!」
半年前、何の音沙汰も無かった大貴がK県のアパートに訪ねてきて、言い放った言葉に、両親だけでなく、私も腰を抜かしそうになった。
でも、よくよく話を聞くと、大貴が新しく働くことになった会社で、社員寮が1つ空きがある、その会社で働けるのなら、部屋を貸しても良い、という内容だった。
大貴は、私にも言ってくれてなかったのに、両親に、堂々と宣言をした。
「俺は陽葵さんを大切に想っています。これからも大切にしますので、どうか、お嬢さんを俺に預けてくれませんか?」
私は、嬉しくて。
ただの社員寮の同居人でも良い。
友達として大切に思っている、でも良い。
大貴が迎えに来てくれたことが、奇跡の様に幸せなことだと思った。
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