3つ子が恋したら

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次の日の昼前に、恭一は3人の住む一軒家を訪れた。 「はーい、あれ?恭一さん、こんにちは」 開けた先には眩しくて可愛い笑顔があった。 「こ、これ。ソラくんが風邪ひいた、て昨日、リクくんに聞いたから」 「すみません、わざわざ」 移し合う、と言うことは残りの2人もいずれ風邪を引くだろうとなかなかな量の差し入れだ。 「ソラならだいぶ、元気になったんですよ、よかったら上がってください」 「え、あ、いや...」 「カイ、どうした?あれ、恭一さん。昨日はどうも」 カイの後ろでリクも笑顔。 「よかったら上がっていってください。ソラもだいぶ良くなりましたし」 2人に招かれ、恭一は複雑な心境な中、3人の部屋へと向かう。 「今日もお母さんはパート?」 「はい。まさか3つ子が生まれるとは思わなかったらしくって。家計が火の車、ていつも言ってます」 目元のほくろからリクだと恭一は気がついた。 一番のしっかり者のようだ。 「リクくんが長男?」 「はい。次男がカイで、末っ子がソラです。何か飲み物、持ってきますね」 そう微笑むとリクはキッチンに向かい、カイに連れられ、一度、入ったことのある3人の部屋に通された。 「ソラ。恭一さんがお見舞いに来てくれたよ」 「...どうも」 パジャマの前がはだけ、色白な肌が見えた。恭一はドキッとした。 熱は落ち着いたらしいが、風邪のせいか、艶めかしい眼差しも。伏し目がちな瞳は何処と無く涙がうっすら浮かび、艶っぽい。 「...頂いていいですか?」 またもや、艶っぽい少し掠れ気味のソラの声。 「プリン、ヨーグルト、飲むゼリー、スタミナドリンク、ミネラルウォーター、ポカリ、どれがいい?てか、凄い量ですね」 カイが袋の中を覗き込む。至って明るい。 「え、ああ。これから2人も風邪が移るのかな、と思って」 カイは目を真ん丸にして恭一を見て、吹き出した。 「よく知ってますね。今日か明日には、俺かリクが風邪引きます、たぶん」 ソラがカイの手からポカリを受け取って、いただきます、と飲み始めた。 部屋のドアが開くと、湯気を立てるコーヒーをトレイに乗せ、リクが入ってきた。 「あ、その。一応、3人ぶん、あるから、飲み物とか。足りなくなったらまた買いにおいで。それか連絡してくれたら持っていくし」 そう言って、リクとカイに見送られ、恭一は3人の住む一軒家を後にした。 「はあ...危なかった」 風邪が治りかかったソラの色気にムラムラしかけた自分がいたからだった。
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