3つ子が恋したら

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とある日曜日の朝。 「2人にも開けてみてのお楽しみにしたいから」 と、リクやソラの手伝いすらカイは断り、鼻歌を歌いながらキッチンに立っています。 手持ち無沙汰でリクとソラの2人はしばらくそんなカイをしばらく眺めていましたが、3人部屋に引き返しました。 「天気も良くて良かったな」 リクはカーテンを開き、窓から見える青空を見上げ、ソラに言います。 「うん、暖かそうだし、良かったね」 ソラは微笑みながら答えます。 しばらくすると、リクとカイ、ソラは待ち合わせでもある桜が満開の川沿いの土手へと向かいました。 カイはなにやら重たそうなトートバッグを抱えています。 着くと、恭一が既にビニールシートを敷きながら3人を待っていました。 近くに桜はありますが、人はおらず、なにやら桜見の穴場のようです。 リクとカイ、ソラが到着したのに気づき、恭一は笑顔です。 「いい場所、選んだね、恭一さん」 桜を見上げながらリクはスニーカーを脱ぎ、ビニールシートに座ります。 続いて、カイ、ソラも座りました。 リクとカイは脚を崩し、あぐらをかいてますが、性格の違いからか、ソラはちょこん、と正座です。 恭一を3人で囲み、お花見のスタートです。 恭一はビニール袋からたくさんの2ℓのペットボトルから4つ紙コップを取り出すとオレンジジュースを注ぎ、3人の前に置いてから自分の前に置きました。 カイは早速、朝から頑張って作ったお花見弁当のお披露目です。 二重の大きなお弁当箱や数々のプラスチックの容器をビニールシートの真ん中に広げていきます。 お重を開けると、カイが丹精に作ったご馳走です。 1段目は唐揚げ、だし巻き玉子、ミートボール、アスパラガスのベーコン巻き、プチトマトのベーコン巻き、たこさんウィンナーなどのおかずがこれまた数えきれない品数がひしめき合っています。 2段目は海苔巻きのシンプルなおにぎり、梅やおかか、高菜など色とりどりなおにぎりや、可愛いキャラクターのいなり寿司もあります。 「すげー」 「美味そう!」 「可愛い」 恭一と、リク、ソラから感嘆の声。 タッパーには白とピンク、緑の三色団子やわらび餅。 苺やうさぎ形の林檎やオレンジ、キウイといったフルーツのタッパーもあります。 「どう?頑張ったでしょ!」 リクとソラはうんうん、と何度も頷きました。 「まさかカイが1人で作ったのか?」 カイは、元気よく、うん!と答えます。 「ご褒美のちゅーして!恭一さん」 顔を近づけ、ピンク色の唇を尖らせ、口付けを待つカイ。 恭一は辺りをキョロキョロ見渡し、土手にも人がいないのを見計らってから、カイの頬にちゅ、と優しくキスしました。 「そこじゃない、こっち」 カイが自分で、尖らせた唇を指差します。 リクとソラは、というか、3人は3人で1つ、の気持ちがあるので、焼きもちは焼かず、2人を怒らずに眺めています。 ようやく、ちゅ、と、カイの可愛らしい唇に触れるキス。 カイは少し物足りないようですが、お花見日和の晴天の下、お花見がスタートです。
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