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2人はダイチの知り合いのバーで飲んだ後、自然とラブホテルに向かっていた。一室のベッドに並んで横たわり、天井を見上げ、タバコを燻らせた。
ユウは約半年ぶりにダイチに抱かれた。
2人とも長い沈黙。
切り出したのはダイチからだった。
「お前、男いんの」
「いないよ」
同じ売り専で働くハヤトの事はユウは眼中に無かった。
「ダイチはこないだ連れてた、あの子が彼氏?ハタチくらい?可愛い顔してた」
ユウは笑って言った。
「俺は彼氏とは思ってないけどな。誰かを抱いてないと俺は自分を見失いそうだからさ」
「どういう意味?」
「そのまんまだよ。男に掘られ続けてあんあん言い続けてたくないから、俺」
「....3年半だもんね」
「そういうこと」
ラブホテルに備え付けの小さな自販機からダイチはビールを取り出し飲み始めた。
「まだ飲むの?」
「別いいだろ。お前も飲むか?」
「俺はいい」
一緒にいたあの子と一応、付き合ってる、てことか...
ユウは天井を見上げ、タバコを吸った。
「今度、観に来いよ、ライブ」
「...気が向いたらね」
2時間の情事は少し気まずく終わった。
「遅かったじゃん、ユウ」
帰宅し、リビングに入るなりユウは後ろからハヤトに抱き締められた。
「一応、早い方だけど」
キスしてこようと顔が近づいてきて、ユウは顔を背け、抗った。
久しぶりにダイチと口付けをした...
ユウは自分の唇に触れた。
懐かしいダイチの唇、熱くて溶けそうなキス....
不意にハヤトの手がユウのTシャツの中に潜り込み素肌を撫でた。首筋には舌が這う。
ユウは力ずくで払いのけた。
「よせよ。てか、鍵返してくんない?」
ダイチと別れてすぐ、寂しさを紛らわすあまりにハヤトに抱かれた。
今は後悔しかない。
「やだね。なんで俺じゃ駄目なわけ」
ハヤトは確かにカッコいい。売り専とゲイビで働いてるから駄目だ、という訳でもない。
「わからない、わからないけど、駄目だ」
「なんだよ、それ」
ハヤトはユウを羽交い締めにし、ベッドに押し倒した。
「やめろよ、なにす...」
突然、ハヤトに唇を奪われた。
「疲れてんだよ、マヂ」
唇が離れると間近にあるハヤトの瞳を見上げ呟いた。
その日、1つのベッドに眠ったものの少し距離を置き、何もないまま眠りに落ちた。
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