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ユウとダイチは2人でユウの指名客をもてなした、ように見えた。ダイチはかなり積極的で慣れていて、ユウは躊躇った。
ユウが正常位で抱かれていると、
「俺にもお願いっ、ちんぽが欲しい」
と甘えた声で客にねだったかと思うと、貫かれているユウに股がり、ダイチとの共演で声が出ないでいるユウの耳元で、
「ちゃんと声出せよ」
客に聞こえないよう囁くダイチは冷静そのものだった。
客の視点から見たら、ユウを掘りながらダイチのアナルが見える。
興奮したのか、ユウから抜き、先程、一戦交えたダイチに挿入した。
「あんっ、だめだよっ、あっ!」
見上げると喘ぎ始めるダイチの顔。
端正な顔の頬はピンク色に紅潮し、艶っぽく、ユウが興奮して釘付けになっていると、キスをされた。
ダイチはユウと自分の勃起を1つの手のひらで包み、扱き始める。
「あっ、あっ...!」
思わず、ユウも喘ぎ、再び、客はユウの中に勃起を沈め、腰を振る。
その間もダイチはユウに口付ける。
ユウも気がつけば舌を絡ませ、激しいキスに応じていた。
客がユウとダイチの穴を交互に愉しむと、パチン!とゴムを外し、ダイチのケツタブめがけて射精した。
「すっごい気持ちよかったです」
「そうか、それは良かった、私もだ」
ダイチは暫くすると客に擦り寄り、肩を抱かれキスをされていた。
ユウは真っ白な状態で2人を見つめる。
「ああ、なんか喉乾いたなあ、ワイン飲みたくなっちゃった」
ダイチが可愛い顔で笑う。
客がオーダーしているうちに、ダイチはユウを手招きし、ソファに座った。
「あいつ飲ませてさっさとズラかろうぜ」
「ズラかる?今日は俺ら、泊まりで指名もらってんのに?」
「だからだよ。なに?朝まであいつに掘られてたいわけ」
「そうじゃないけど...」
ルームサービスが来ると、ダイチは客を上手くあしらい、たまに褒めちぎり、上機嫌にさせて客にワインを勧めた。
結果、客は足を広げて口を開き、だらしない格好でいびきをかいて寝てしまった。
「ほら、さっさとシャワー浴びて帰るぞ」
「で、でも、客がもし起きて俺らいなかったらクレーム来る」
ダイチがじっ、とユウの目を見据えた後、
「さすがにこれじゃもう起きないだろ。それにもし起きたら、気持ち良さそうに寝ていたから気を遣い、起こせませんでした、で済む。だろ?」
確かにダイチの言う通りだ。目から鱗だ。
「お前、要領悪いな」
「...なんかダイチ慣れてるね。気のせいだったらごめん」
「そりゃ...とりあえず、シャワーにすっぞ」
久しぶりに2人でシャワーを浴び、ビジホを後にした。
本来、泊まりのあの客で今日はラストだった2人は朝までの筈が夜には終わり、時間を持て余した。
不意にユウのお腹の虫が鳴いた。
ダイチが笑う。
「なんか食い行くか」
2人は夜の街を久しぶりに並んで歩いた。
夜風が気持ちいい夜だった。
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