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介護士
私は介護士、私は介護士。
「そう、私は介護士・・・」
「佐藤さん、何か言ったかしら?」
私は心の中で繰り返し言っていたはずの言葉がいつの間にか声に出していたようだ。
いけない。私がおばあさんとおじいさんを殺しに来た殺し屋だという事は誰にも知られてはいけない事実なのに。
それも殺し屋歴2年目の新米殺し屋だという事は、絶対に知られてはいけない。
おばあさんはともかく、おじいさんは殺し屋歴12年にもなるベテランの殺し屋だ。
私の正体も気づいているだろうか。でも、2日で気づくだろうか?
私はまだおじいさん(仮)の事はまだ殺そうとはしていない。まだ機会を伺っているだけだ。
私の正体にも気づいていない可能性だってある。
そんな事を考えていた時、
「ちょっとお手洗いに言って来ますね」
そう言っておばあさんが席を立った。
今がチャンス!
目打ちのような武器を背後に隠し、今まで積極的に近づかないようにしていたおじいさんに近付く。
おじいさんはモグモグと口をなにやら動かしていたが、途中で背後の壁の方を向いた。
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