Chap,3_08. 葉桜の下、決意の求婚

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 パパにはなれなかったけれど、自分の遊び相手として、兄代わりのように傍にいてくれた暁のことを、裏切られたとは思っても灯夜は嫌いになれないでいる。だから、もう逢えないのだと知らされて、困惑しているように見える。 「……また逢える?」 「いつか、きっとね」  すぐに逢えるとは思わないが、淑乃が立派なおばちゃんになる頃には、灯夜が声変わりして反抗期まっしぐらな学生になる頃にはきっと、この複雑な感情を昇華することができるはず。  そのときに、傍に灯夜の父親として朔がいてくれればいいと、淑乃は篠塚とカレー作りについて語っている彼を見つめる。  じっと朔へ視線を向ける淑乃の姿を見て、灯夜はぽつりと負け惜しみのように呟いた。 「今日のママ、いつもよりずっと綺麗だよ……」
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