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結月の誕生日。
ささやかながら、穂高は結月の誕生日を祝った。
特に好物はないという結月だが、穂高は家政婦に頼み、穂高なりに結月が喜ぶようなご馳走、プレゼントも興味を示さない、結月だ。
穂高は自身が幼少の頃に亡き祖父にもらった懐中時計をプレゼントした。
穂高は亡き祖父が大好きだった。
「...そんな大切な物を...頂けません」
「いいんだ。結月に受け取って欲しい。祖父は僕を凄く可愛がってくれたんだ。そんな僕からのプレゼントなんだ、祖父も怒る訳がないよ」
穂高が微笑むと、結月は手の中のアンティークな懐中時計を見つめた。
穂高はこれからの結月の為に、専属の往来医だけでなく、心理カウンセラーも手配した。
まだ、13歳の結月のお腹の子供は順調に育っていた。
と、同時に結月の不安も増していく。
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