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穂高は勤務先で起きた不祥事を医師会の理事長でもあり、結月が通う学校の責任者でもある父に打ち明けた。
結月の明日、検査する良い病院を手配して欲しい、と穂高は父に頼む為。
穂高の父からしたら、こんな事が世間に知られてしまうと大損害になりかねず、大スクープになりかねない。
穂高は父から紹介状を受け取り、久しぶりに実家へと足を伸ばした。
「穂高、久しぶり、なんだか面倒なことに巻き込まれたみたいだね」
彼は、穂高の幼なじみ、恋人でもある史哉。
保育園から23になるまでいつも一緒で、穂高にとっては一種の腐れ縁のようでもある。
「どうしてお前が知ってんだ」
「最近、穂高の様子が変だから。穂高の周りを調べて貰っていたんだ。将来の旦那様だもん、穂高の全てを知っておかないとね」
余裕の笑みで史哉がティーカップを口に運ぶ。
史哉の父は製薬会社の役員でもあり、穂高と史哉は製薬会社が行ったパーティで出会い、史哉は穂高に一目惚れした。
穂高はずっと史哉を友人として大切には思ってはいたが、史哉から告白され、両家も付き合いがある事から、穂高も史哉の告白を受け入れた。
Ωの史哉は抑制剤を屈指し、突発的なヒートを起こすことはまず無いが、学生時代、1度だけ、ヒートを起こした史哉をαの穂高は誘発はされず、すぐに抑制剤を飲ませ、看病に当たった。
穂高にとって、何処か、史哉は運命の相手ではない、と感じていながら史哉の強い思いを拒絶出来ないまま、時が過ぎていた。
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