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次の日。
穂高の運転する助手席にはシートベルトをした結月が俯いたまま、無言で座っている。
「...怖い?」
結月は蒼白な顔で小さく頷くだけ。
病院に着くと、運転席を降りた穂高は助手席側に周り、ドアを開けた。
「おいで」
優しく手を差し出すと、結月はぎゅっとその手を握り、病院へと向かった。
穂高は気丈に振る舞いながらも、まだ小さな結月の手の感触に、なんとも言い現せない複雑さを感じた。
待合室、結月の名前が呼ばれ、結月は隣に座る穂高の顔を伺った。
「1人で大丈夫かい?」
ただ、穂高の前に立ち尽くす結月に、再度、受付の女性に結月の名前が呼ばれた。
血液検査、尿検査、エコー検査など、検査を行われ、やはり、αだった結月はΩに変異している事がわかった。
医療も進み、後日には妊娠の有無がわかる。
きゅっと唇を噛み締めて座る結月の小さな手のひらを穂高は握った。
「...おめでとうございます、と言っていいものかわかりませんが...妊娠初期ですね」
結月が今にも泣きそうな顔になり、詳しくは穂高が聞き、結月は女性の看護師に預けて貰った。
医師の説明を受け、結月の元に帰った穂高。
結月はやはり泣きじゃくり、看護師が懸命に励まし、慰めている姿に穂高は胸を痛めた。
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