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お好み焼きパーティー
今夜は、楓さんと龍さんと僕の3人で、お好み焼きパーティー‼︎お好み焼きって、お店で食べるモノだと思っていたから、おうちでも作れるんだ‼︎って知って、嬉しくなっちゃった。
ことの始まりは、昨日の夜。龍さんと一緒にお風呂に入った後、ソファーに並んで座って、まったりテレビを見ていると、お好み焼き屋さんの特集が入った。
カリカリふわふわのお好み焼きが、とっても美味しそうで、口の中が洪水になった時、龍さんが
「お好み焼き食べたいな」
って言ったこと。
「僕、お好み焼きって食べたことないです」
「え?司、お好み焼き食べたことないの?」
「ないです。僕、関西生まれじゃないので……」
「いや、関西生まれじゃなくても、食べるでしょ、お好み焼き。家でも作れるのに、マジで食べたことないの?」
龍さんはめちゃくちゃ驚いていた。でも、僕からしたら、家でお好み焼きが作れることの方がビックリだった。
「ないです。うちのママは料理をあまりしないので……。というか、家で作れるって、龍さんも作れるんですか?」
「作れるよ。っても、お好み焼きの粉を使うやつだけど。楓とも、何回かやったよ。お好み焼きパーティ」
お好み焼きパーティー‼︎パパに連れられて行くパーティーは少しも魅力的じゃなかったのに、龍さん主催のお好み焼きパーティはめちゃくちゃ魅力的‼︎
「やりたいです‼︎お好み焼きパーティ‼︎僕のファーストお好み焼きは、龍さんが作ったやつがいいです」
龍さんにしがみついて至近距離から見上げる。
「ダメですか?」
そう言って小首を傾げると、龍さんが空を仰ぎ、右手で両目を覆った。
「あー、マジで可愛い過ぎる。そんなこと言われて、断れるわけないじゃん」
「え?なんですか?」
「いや、なんでもない。やろう‼︎お好み焼きパーティー‼︎」
「やった‼︎龍さん、大好きですっ」
ぎゅーっと抱きしめると、龍さんも抱きしめ返してくれた。あぁ、めちゃくちゃ幸せ♡
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