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「お、起きなくて、いいんですか?」
「起きるよ。司をイかせたらね」
「えっ、……んぁ、やっ」
下着の中に手を滑らせた龍さんが、僕の敏感な場所に指を這わせる。いつもはキスしてくれるのに、今日は少しもしてくれない。焦らすように手を動かして、僕の反応を愉しむみたいに、ただただ見下ろしている。なにこれっ。なんかやだっ。
「あっ、龍さ、んっ」
「んー?なぁに?」
「キス、して?」
「後でね」
龍さんは親指で僕の唇をなぞり、そして、それをぺろりと舐めた。その表情が色っぽくて、背中がゾクリとした。
「口と手、どっちでイきたい?」
違う、違う。僕はキスがしたいだけなのっ。左右に首をぶんぶん振ると
「それじゃあ、分からないな」
と言って、体を抱き起こされた。そのまま下着を脱がされ、龍さんの胸に背を預けるようにソファに座らされる。
「ここ明るいから、司のエロい姿、丸見え」
背後から僕を抱きしめている龍さんが、耳に舌を這わせ吐息と共に水音を響かせる。
「こんな、の、恥ずかし、い」
「たまにはいいじゃん。ほら、こんなに濡れてきた」
僕自身の先に指を滑らせた龍さんが、見せつけるように指を巻きつけ、ゆっくりと手を動かしていく。じわじわと広がる甘美な熱に、堪えきれずに声が出る。
「っ、はぁ、っ、あっ、ん……っ」
「気持ちいい?」
「やっ、恥ずか、し」
「そんなの感じなくなるくらい、気持ちよくしてあげるよ」
龍さんは容赦ない。僕の気持ち良いところを全て知ってるから、やりたい放題だ。僕はいつだって鳴かされるだけ。でも、悪くないって思っちゃってる僕は、龍さんの虜ってことかな。
「あっ、……んっ、やだ、そんなにしたら、すぐ、イっちゃ、う」
「我慢しなくて良いよ。ちゃんと見てるから」
「っ、い、意地悪っ」
「はいはい」
最後まで軽くあしらわれながら、僕はイくところまでイった。僕だけが汗だくだった。服を整えてもらってからソファーにパタリと倒れ込むと、龍さんはやっとキスしてくれた。それも、甘くて濃厚でめちゃくちゃに気持ち良いキス。
「……今日の講義、午後からだっけ?」
「はい。……龍さんは開店準備まで、まだ時間ありますか?」
チラリと時計を確認した龍さんが、ぐっと親指を立てる。
「全然余裕っ‼︎」
しばらく2人で見つめ合い、どちらからともなくキスをした。
「……ねぇ、司。もっかいしない?」
「……僕も同じこと思ってました」
「よしっ。ベッドに行こう」
龍さんは僕をお姫様抱っこしたまま寝室のドアを器用に開けた。
僕たちの朝は、それほど早くない。
6時半のアラームは、起きる為のものじゃない。イチャイチャしてラブパワーをチャージする為に存在してる——って、僕は勝手に思ってる。
「んっ、あっ、龍さんっ……好き」
「俺も好きだよ」
甘い時間はまだまだ終わらない♡
*朝からエチエチさせたかっただけ←
*ここまでお付き合い下さった皆様、本当に、本当にありがとうございました。この2人は書いていて本当に楽しかったので、何か思いついたら、こそこそ更新するかもしれないです。
*また次回作でお会いできることを願って……。
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