キミの隣、ふわり

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「昨日みたいに、勝手に出かけたりしないから安心して」 「約束よ?ママ、生きた心地がしなかったんだから……」 「ごめんなさい。これからはちゃんと伝えるようにするね。パパともちゃんと話すよ」 「そうね。それがいいと思うわ。あ、そうだ、買い揃える物をリストアップしておいたの。目を通しておいてくれる?足りないものがあったら言ってね」    そう言って立ち上がったママは、チェストの引き出しから一冊のノートを取り出した。  ノートの種類は違えど、このノートが何を意味しているのかは、すぐに分かった。兄たちが留学するときも、ママはノートに色々と書き込んでいたから。  ママは柔らかくて慈悲深い笑顔を僕に向け 「はい、どうぞ」  と、言ってノートを差し出している。  僕は真っ直ぐにママを見つめ、ノートを受け取った。ママの瞳は少しも揺らいでなんかいない。ママは決めたんだ。いつもの僕らしくない僕が言った戯言など、聞かなかったことにしよう、と。  あれは夢だったのよね。だって、司はあんなわがままを言う子じゃないもの。そうでしょう?そう問いかけられているようで、ママから目を逸らした。 「ありがとう。僕、こういうのまとめるの苦手だから、ママがしてくれると助かるよ」  気分が悪かった。今にも吐いてしまいそうだ。
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