キミの隣、ふわり

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   日曜日。  龍さんの腕の中で目を覚ました。視線を上げると、龍さんはまだ眠っているようだった。朝、1番最初に、大好きな人の寝顔が見られるなんて、こんなに幸せなことがあるだろうか。  昨日の夜は色々とあったのに……、龍さんの顔を見ているだけで、自然と口元が緩んでしまう僕は、かなりの重症だ。  仕事中は纏められている髪も、寝る時は解かれている。この姿を見られるのは、隣で寝ることを許された僕の特権だ。額や頬に流れている髪を指ですくい、耳元にそっと撫でる。黒髪にしてから、ますます色気が増した気がする。キス、したいな。でも、まだ寝顔を見ていたい気もする……。  どれくらいの時間、寝顔を眺めていたのか……、スマホのアラームが鳴って、龍さんが目を開けた。ほんの数秒前まで眠っていたのに、少しも寝ぼけていない。龍さんって、めちゃくちゃ寝起きが良いんだなぁ、と感心していると 「おはよう。起こしてごめん」  と、謝られた。ずっと起きてました。ずっと寝顔を見てました。とは、言いづらくて 「大丈夫です」  と、答えた。 「俺はもう起きるけど、司はまだ眠たかったら寝てていいよ」 「ううん。眠くないです。僕も起きます」  そう答えると、龍さんは暫し思案した後、チラリと時計を見て、それから僕を見た。 「そう?じゃー、ちょっとイチャイチャしてもいい?」 「イチャイチャですか?」 「そう、イチャイチャです」  龍さんは僕に覆い被さるようにして髪を撫で、軽く口付けた。唇を触れ合わせるだけのキスなのに、龍さんにされると、すごくエッチな感じがする。  Tシャツの中に龍さんの手が忍びこみ、布団の中では足が絡められて、絶妙な力加減で脚の間を刺激される。うーっ、これ以上されたら、最後までシたくなっちゃう。 「っ、あの、そろそろ、起きませんか?」   「んー、まだ大丈夫だよ」  龍さんは大丈夫でも、僕は大丈夫じゃないですー‼︎ 「っ、り、龍さんっ」 「なーに?」 「も、やめ、て」 「えー?もっと、司のエッチな顔見たい」 「っ、意地悪っ」 「司が可愛いから悪い」  僕の両手を左手だけでベッドに縫い付けた龍さんが、僕の体をなぞりながら、下へ下へと右手を下げていく。快楽への期待と、羞恥が同時に湧き上がって、それだけで体が熱を持つ。 「今日は誰もいないから、声、我慢しなくていいよ。司のエロい声、たくさん聞かせてよ」  僕の敏感な場所に触れながら、龍さんが耳元で囁く。本当、エッチ‼︎この人、エッチすぎるっ‼︎手を掴まれてるから、口を塞げない。無理、無理、声出ちゃうっ‼︎ 「ぁ、んっ、あ……、やっ」  カーテンが閉まってるおかげで、部屋の中はそれほど明るくないとはいえ、お互いの姿は、はっきりと視認できる。体をビクつかせている僕を見て、龍さんがいつも以上に満足そうな顔をしているのだって、見えてるんだからね‼︎なんか悔しいっ。いつか絶対、仕返ししてやる‼︎  結局、僕は龍さんにイかされて、朝から腰抜けになった。
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