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「ママ、まだ僕検査終わらないの?」
「うーん、もう一回ね。この間とは違う検査なの、頑張って」
「早く学校行きたいよ、僕だけだよ行ってないの。友達できなくなっちゃうよ」
「そうね。次の検査終わったら、学校いけないか先生に聞いてみるね」
「うん。ねえ、僕はいつ治るの?」
「1年くらいはかかるって言われてるわ。でもずっと病院にいなきゃいけないわけじゃないから、学校行けるように聞いてみるからね」
「ウソはいけないわ!」
バーン! と病室のドアを力いっぱい開けたのはあかりちゃん! 病院では静かにね!
「な、なに!? 誰!?」
「その子は3か月もすれば死ぬって先生にこの間言われてたでしょ! 学校にも行けないわよ、外出許可は絶対に出ないわ! 何かあったら病院の責任になるもの! ウソは悪よ!」
「え……」
「ちょっとやめて! 誰よ!? 和明は治るって先生も言ってたわよ! てきとうな事言わないで!」
「ちなみに証拠はこれね!」
あかりちゃんは颯爽と和明君のカルテを見せる、確かに難病末期と書かれていてたぶんあかりちゃんの字で「あと3か月で死ぬ」と追記までしてある!
「……うそつき」
「和明! あんな子の言う事信じないで! 本当に治……」
「うそつき! うそつき! 治るって、学校いけるっていったくせに! ママのウソツキ! 僕が学校楽しみにしてたの知ってるくせに! 何で嘘つくの!? 僕死んじゃうの!?」
「ちが……違うの……」
病室からすすり泣く母親の声と、それ以上に泣き叫ぶ息子の声が響き渡り看護師たちがかけつけるがあかりちゃんはすぐに次の場所へと走る!
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