0人が本棚に入れています
本棚に追加
序章 1話 消えた繋がりと幸せ
僕には、幼馴染がいた。
春名 歩(はるな あゆみ)今も一緒にいたならばいれたならば僕と同じ17歳だっただろう。
歩がいなくなったのは、二年前15歳の春のまだ冬の寒さが残るときだだった。中学を卒業して春休みの始めの頃だ。
朝、家を出たっきり帰って来ていないというのだ。
元気でみんなの人気者だから何処にいても目立つ歩は、誰にもさよならを言わずに消えたのだ。
歩がいなくなったのを聞いたのは、いなくなったの夜のことだった。夜になっても帰って来ないからと僕の家に歩の両親が訪ねて来たのだ。僕と歩は、仲が良かった。良かった、、良かったのだ。
だから僕の家を訪ねて来たのだろう。このとき僕は、とても不吉な嫌な予感を感じた。
歩がいなくなって一日、二日、三日と経って三日目には、警察が半径10キロ圏内をくまなく探したが見つからなかった。見つかったのは、歩が大事につけていてくれていた赤いあまり着飾っていない髪留めだけだった。見つかったのは、誰も行かないような神社の境内でだった。
この頃から神隠しにあったとまことしやかに囁かれることになった。
また一週間、一ヶ月、一年と時が経って行った。
高校生になったのに友達も作らず部活にも入らずただ意味もなく歩を見つける為に歩き回っていた。
この頃の僕は、歩がいなくなった世界のスピードに完全に置いてかれていた。
そして今日3月21日歩がいなくなって2年がたった。
最初のコメントを投稿しよう!