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【Chapter1】異国の言葉
ひな祭りを翌日にひかえた夜だった。
私は、白と黄緑の画面をじっと見つめた後、ベッドサイドにあるナイトテーブルに、そっとiPhoneを伏せた。
『ここで終わった方が良いのかもしれない。』
彼から届いたメッセージの文末にはそう記されていた。
私は並んだ文字の意味をすぐには理解できず、まるで知らない国の言葉を眺めるように彼の綴った文章を只々眺めた。
始まりは、ほんの些細なすれ違いからであった。
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